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【源泉所得税】海外勤務となる役員や使用人の出国に際しての所得税額の精算

2016-11-15

日本国内の会社に勤めている役員や使用人が1年以上の予定で海外で勤務することとなった場合、一般的には出国の日の翌日から所得税法上の非居住者となります。この時、非居住者となる者が居住者であった期間に日本国内で得た給与については、出国する時までに年末調整を行い源泉所得税額を精算する必要があります。(年末調整の対象となる給与等の支給額が2,000万円以下である場合に限ります。)

この出国する時までに行われる年末調整に係る留意点は下記の通りとなります。

1 年末調整の対象となる給与
出国する時までに支給された給与(もしくは支給日の到来した給与)のみが対象となり、出国後に非居住者として支払を受けるものは、たとえそれが国内源泉所得として20.42%の税率による源泉徴収の対象となるものであったとしても、年末調整の対象には含まれません。

2 社会保険料控除及び小規模企業共済等掛金控除
出国する時までに支払ったもの、またはその間に支給された給与から控除されたものが控除の対象となります。

3 生命保険料控除及び地震保険料控除
出国する時までに支払った保険料を基に、その控除額を計算することになります。

4 控除対象配偶者及び扶養親族等の要件に該当するかどうかの判定
控除対象となるかどうかは次により判定します。
(1) 生計を一にしていたかどうか及び親族関係にあったかどうか出国の時の現況
(2) 合計所得金額
出国の時の現況により見積もったその年の1月1日から12月31日までの金額

なお、配偶者控除及び扶養控除等については居住者であった期間にかかわらず、その全額を控除することができます。

※ 会社からの給与所得以外に一定以上の国内源泉所得を有している場合や、年末調整の対象となる給与等の支給額が2,000万円を超える場合は、上記とは別の取扱いとなります。
※ 役員の給与に対する課税の取扱いについては、租税条約を結んでいる国である場合はこれらの租税条約の内容を確認する必要があります。