株式の移動

  • Q&Aの内容は、作成日時点の情報に基づき正確を期するようにしておりますが、最新の法令、判例等との一致を保証するものではございません。また、具体的な案件を想定して作成しておりませんので、個別の案件につきましては専門家にご相談下さい。

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Q00030 株券発行会社であるものの、実際に株券を発行していないのであれば、株式譲渡にあたって株券自体を譲渡する必要はないとの理解でよいのでしょうか。

実際に株券を発行しているか否かにかかわらず、株券を発行する旨の定款の定めがある株券発行会社の場合には、自己株式の処分による株式の譲渡のときを除き、株券を交付しなければ株式譲渡の効力は生じません(会社法第128条第1項)。したがって、譲渡人は発行会社に対し、株券の発行を請求した上で、当該株券を譲受人に譲渡する必要があります。
(作成日:2012年1月27日)

Q00035 株主から譲渡承認請求書が送られてきました。「承認をしない旨の決定をする場合には、貴社または指定買取人が買い取ることを請求します。」との記載がありますが、当社としては、どのように対応すれば良いでしょうか。

貴社が譲渡を承認する場合、株主総会(取締役会設置会社にあっては取締役会。但し、定款に別段の定めがある場合にはそれに従います。)の決議により承認を決議し、その旨を譲渡承認請求者に通知することとなります(会社法第139条第1項、第2項)。
譲渡承認を拒絶する場合、譲渡承認請求を受領した日から2週間以内(貴社と譲渡承認請求者で別途合意が成立した場合には当該期間)に当該請求を行った譲渡承認請求者に対して譲渡承認を拒絶する決定をした旨を通知する必要があります(会社法第139条第2項、第145条第1項第1号)。
譲渡承認請求者が譲渡承認の請求とあわせて貴社又は指定買取人による買取りを請求し、貴社が譲渡を承認しなかった場合には、貴社自身が買い取るのか、それとも指定買取人を指定するのかを決定しなければなりません(会社法第140条第1項、第4項)。
その後の手続については、貴社自身が買い取る場合と指定買取人が買い取る場合で異なります。それぞれの場合について、別のQ&Aにて説明しておりますのでご参照下さい。
(作成日:2012年1月27日)

Q00036 株主の譲渡承認請求を拒絶した場合において、当社が買い取ることを選択した場合の手続を教えて下さい。

貴社自身が買い取ることを決定した場合、貴社は、(1)貴社が買い取る旨、及び(2)貴社が買い取る株式数(種類株式発行会社にあっては買い取る株式の種類と数)を請求者に通知しなければなりません(会社法第141条第1項、第140条第1項)。この通知は原則として、貴社が譲渡承認を拒絶する旨を通知した日から40日以内に行う必要があります。40日以内にこの通知を行わなければ貴社が譲渡を承認したものとみなされてしまいます(会社法第145条第2号)。かかる通知を行うに当たっては、1株当たり純資産額に対象株式の数を乗じて得た額を貴社の本店の所在地の供託所に供託し、かつ、当該供託を証する書面を請求者に交付しなければなりません(会社法第141条第2項)。貴社が譲渡承認を拒絶する旨を通知した日から40日以内に当該供託を証する書面を請求者に交付しない場合にも、貴社が譲渡を承認したものとみなされてしまいます(会社法第145条第3号、会社法施行規則第26条第1号)。
貴社が通知した場合、株式の売買価格は、原則として、貴社と譲渡承認請求者の間の協議によって決定されます(会社法第144条第1項)。かかる協議が成立しない場合、会社又は譲渡承認請求者は、上記の買取りの通知があった日から20日以内に、裁判所に対して売買価格の決定の申立てを行うことができます(会社法第144条第2項)。この申立てがなされなかった場合は、供託すべき額が売買価格となります(会社法第144条第5項)。
(作成日:2012年1月27日)

Q00037 株主の譲渡承認請求を拒絶した場合において、指定買取人が買い取ることを選択した場合の手続を教えて下さい。

貴社が指定買取人が買い取ることを決定し、指定買取人を指定した場合、指定買取人(貴社ではなく指定買取人が手続を進めることとなる点ご留意下さい。)は、 (1)指定買取人が買い取る旨、及び(2)指定買取人が買い取る株式数(種類株式発行会社にあっては買い取る株式の種類と数)を請求者に通知しなければなりません(会社法第142条1項)。この通知は原則として、貴社が譲渡承認を拒絶する旨の通知をした日から10日以内に指定買取人が行う必要があります。10日以内にこの通知が行われなければ貴社が譲渡を承認したものとみなされてしまいます(会社法第145条第2号)。かかる通知を行うに当たっては、1株当たり純資産額に対象株式の数を乗じて得た額を貴社の本店の所在地の供託所に供託し、かつ、当該供託を証する書面を請求者に交付しなければなりません(会社法第142条第2項)。貴社が譲渡承認を拒絶する旨を通知した日から10日以内に指定買取人が当該供託を証する書面を請求者に交付しない場合にも、貴社が譲渡を承認したものとみなされてしまいます(会社法第145条第3号、会社法施行規則第26条第2号)。
貴社が通知した場合、株式の売買価格は、原則として、指定買取人と譲渡承認請求者の間の協議によって決定されます(会社法第144条第7項、第1項)。かかる協議が成立しない場合、会社又は譲渡承認請求者は、上記の買取りの通知があった日から20日以内に、裁判所に対して売買価格の決定の申立てを行うことができます(会社法第144条第7項、第2項)。この申立てがなされなかった場合は、供託すべき額が売買価格となります(会社法第144条第7項、第5項)。
(作成日:2012年1月27日)

Q00176 デューディリジェンスにおいて過去の株式の移動状況について質問を受け、あわせて株券の発行状況についても確認されました。当社は株券を発行した記憶がないのですが、問題があるのでしょうか。

IPOや買収を受ける前提として、会社の株主が誰であるか、疑義なく確定していることは重要であり、その確認のために過去の譲渡の経緯が調査されます。 株券発行会社の場合、株式の譲渡は株券の交付が効力要件であるため、譲渡当事者間で株券の交付が行われていないと、過去の株式の譲渡が有効でなく、現在の株主が真実株主でないという問題が生じ得ます。また、株券発行会社が事実上株券不発行の状態になっている場合でも、会社から株券を発行した上で譲渡当事者間でその交付を行うことが必要となる点に注意が必要です。IPOやM&Aの間際でこのような問題が判明することのないよう、株式譲渡の手続について会社でもきちんと把握しておくことが重要です。
(作成日:2012年1月27日)