賃貸借契約書

  • Q&Aの内容は、作成日時点の情報に基づき正確を期するようにしておりますが、最新の法令、判例等との一致を保証するものではございません。また、具体的な案件を想定して作成しておりませんので、個別の案件につきましては専門家にご相談下さい。

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Q00215 建物賃貸借において、賃料の減額をしない旨を規定することにより賃借人の賃料減額請求権を排除することは可能でしょうか。

借地借家法第32条は、建物の賃料が、租税その他の負担の増減、土地・建物の価格の上下、その他の経済事情の変動により、または相場の変動により近隣の同種の建物の賃料に比べて著しく不相当となったときは、賃料増減請求権が認められるものとしています。そして、かかる規定は借地借家法第37条の片面的強行法規規定としては列挙されていませんが、「契約の条件にかかわらず」認められるものとされているため、強行法規的性格を有するものと解されています。従って、賃料の減額をしない旨を規定しても、そのような特約により賃借人の賃料減額請求権を排除することはできないと考えられます。
他方、賃料の増額請求権については、一定期間賃料の増額をしない旨の特約がある場合には、その期間中は、賃料増額請求権を排除することが法律上認められています(借地借家法第32条第1項但書)。また、定期借家契約においては、契約中に「借賃の改定に関する特約」が設けられている場合には、賃料増額・減額請求権は認められないこととされています(借地借家法第38条第7項)。
(作成日:2012年1月27日)

Q00214 建物を賃貸するにあたり、賃貸期間が終了したら必ず目的物を返還して欲しい場合には、定期建物賃貸借契約を締結するといいと聞きましたが、どのような制度なのでしょうか。

借家借家法の適用のある通常の建物賃貸借においては、期間満了時の更新拒絶、あるいは解約申入れの際に正当事由の有無が問題となります(借地借家法第28条)。しかし、定期建物賃貸借においては、「契約の更新がないこととする旨」を定めることができるとされており、上記のような正当事由条項の適用を排除することが認められています(借地借家法第38条第1項)。従って、賃貸人は、契約で定めた期間の満了により確定的に契約を終了させ、目的物の返還を請求することが可能となります。
そして、このような定期建物賃貸借契約を締結しようとする場合には、公正証書による等書面によって契約をする必要があり(借地借家法第38条第1項)、かつ、あらかじめ、建物の賃借人に対し、契約の更新がなく、期間の満了により建物賃貸借が終了することについて、その旨を記載した書面を交付して説明しなければなりません(借地借家法第38条第2項)。また、契約期間が1年以上である場合には、建物の賃貸人は、期間の満了の1年前から6ヶ月までの間に、建物賃借人に対し、期間の満了により建物賃貸借が終了する旨の通知をしなければ、その終了を建物賃借人に対抗することができないものとされているため留意が必要です(借地借家法第38条第4項本文)。
(作成日:2012年1月27日)

Q00216 賃貸借契約に定めがないにも関わらず賃貸人が更新料を請求してきた場合、賃借人は更新料を支払わなければ更新を主張することはできないのでしょうか。

更新料とは、賃貸借契約が更新される際に、更新の対価として支払わる一時金のことをいいますが、民法も借地借家法も更新に際して賃借人が更新料を支払わなければならない旨の規定を定めているわけではありません。また、判例も、賃借人が当然に更新料を支払わなければならない旨の慣習法又は事実たる慣習は存在しないとしています(最判昭和51・10・1)。従って、賃貸借契約において更新料支払の規定がない場合には、賃借人は更新料を支払うことなく更新を主張することが可能であると考えられます。
(作成日:2012年1月27日)