不祥事対応

  • Q&Aの内容は、作成日時点の情報に基づき正確を期するようにしておりますが、最新の法令、判例等との一致を保証するものではございません。また、具体的な案件を想定して作成しておりませんので、個別の案件につきましては専門家にご相談下さい。

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Q00109 不祥事が発覚した後に隠蔽を図ったり、適切に公表しなかったりした場合は、取締役は善管注意義務違反として損害賠償責任を負うのでしょうか?

取締役は、その善管注意義務違反の業務執行行為により会社に生じた損害を賠償する責任を負うところ、取締役の業務執行は不確実な状況で迅速な判断をせまられる場合が多いため、善管注意義務が尽くされたか否かの判断は、行為当時の状況に照らし合理的な情報収集、調査、検討等が行われたか、その状況と取締役に要求される能力水準に照らし不合理な判断がなされなかったか否かを基準になされるべきであり、事後的、結果論的な評価がなされてはならないと解されています(いわゆる経営判断準則)。また、注意義務違反の証明責任は取締役の責任を追及する原告側にあると解されています)。
したがって、不祥事が生じたのみでは、直ちに善管注意義務違反を負うものではない場合もありますが、その不祥事の発覚後に、隠蔽を図ったり、適切に公表しなかった場合には、積極的な善管注意義務違反があるとして、損害賠償責任を負う可能性が高くなります。この点、ダスキン株主代表訴訟(大阪高裁平成19年1月18日判決)では、肉まんに食品衛生法違反の添加物が混入されていたことについて、混入されていた事実を知った後に口止め料を支払ったり、適切に公表しなかったことなどについての取締役の善管注意義務違反を理由に、取締役らに連帯して106億2400万円もの支払いを認めており、経営判断を基準に認定されることを前提とするからといって、損害賠償責任を負うリスクが低いとはいえないと考えられます。
(作成日:2012年1月27日)

Q00111 IPOの直後に許認可が取り消しとなった事例としては、どんなものがあるでしょうか。その影響は?

株式会社アルデプロという会社が、2004年3月に上場したが、その直後に代表取締役社長が道路交通法違反で執行猶予判決を受けていたことを理由に、宅地建物取引業免許を取り消され、一時的に宅建業法に基づくビジネスができなった事例がありました。また、この件では、問題となった代表取締役社長が即時辞任しています。このように、ビジネス上重要な許認可について、取消事由に該当する事実がある場合は、重大なリスクとなります。また、これを知りながら、又は知り得たにも拘らず適切に開示していなかった場合には、金融商品取引法上の開示書類について虚偽記載があったとして問題となりえます。
(作成日:2012年1月27日)

Q00198 個人情報の漏洩事故が生じた場合、その漏洩の事実を公表すべきでしょうか。また、特定の所轄官庁に報告する必要があるでしょうか。

個人情報保護法上は、漏洩事故時における公表や報告の義務は法令上の義務としては規定されていません。しかし、事故の発生を公表したり、個人情報が漏洩した本人に通知することによって、当該情報の悪用などの被害拡大を抑制できる場合があります。そのような場合には、公表や通知を行わなかったことで、拡大した被害についての責任を後日問われる可能性があるため、かかるリスクを回避する観点からは積極的な公表や通知を検討すべきであり、その際必要に応じて所轄官庁に報告し、指示を仰ぐことが考えられます。
なお、経済産業省のガイドラインによれば、事故又は違反への対処として、①事実調査、原因の究明、②影響範囲の特定、③再発防止策の検討、実施④影響を受ける可能性のある本人への連絡、⑤主務大臣等への報告⑥事実関係、再発防止策の公表という措置を講じることが望ましいとされており、参考になります。
(作成日:2012年1月27日)



Q00199 個人情報の漏洩事故の場合の賠償額は、どのくらいが一般的なのでしょうか?

個人情報漏洩の損害額について、何らかの基準がある訳でなく、漏洩した個人情報の性質や、二次的被害の有無等に応じて事案毎に合理的に判断されることになると考えられます。過去の裁判例においては、一人あたりの額で、数千円程度、1万円程度、3万円程度といった事例があるようです。
(作成日:2012年1月27日)