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株主の譲渡承認請求を拒絶した場合において、指定買取人が買い取ることを選択した場合の手続を教えて下さい。

貴社が指定買取人が買い取ることを決定し、指定買取人を指定した場合、指定買取人(貴社ではなく指定買取人が手続を進めることとなる点ご留意下さい。)は、 (1)指定買取人が買い取る旨、及び(2)指定買取人が買い取る株式数(種類株式発行会社にあっては買い取る株式の種類と数)を請求者に通知しなければなりません(会社法第142条1項)。この通知は原則として、貴社が譲渡承認を拒絶する旨の通知をした日から10日以内に指定買取人が行う必要があります。10日以内にこの通知が行われなければ貴社が譲渡を承認したものとみなされてしまいます(会社法第145条第2号)。かかる通知を行うに当たっては、1株当たり純資産額に対象株式の数を乗じて得た額を貴社の本店の所在地の供託所に供託し、かつ、当該供託を証する書面を請求者に交付しなければなりません(会社法第142条第2項)。貴社が譲渡承認を拒絶する旨を通知した日から10日以内に指定買取人が当該供託を証する書面を請求者に交付しない場合にも、貴社が譲渡を承認したものとみなされてしまいます(会社法第145条第3号、会社法施行規則第26条第2号)。
貴社が通知した場合、株式の売買価格は、原則として、指定買取人と譲渡承認請求者の間の協議によって決定されます(会社法第144条第7項、第1項)。かかる協議が成立しない場合、会社又は譲渡承認請求者は、上記の買取りの通知があった日から20日以内に、裁判所に対して売買価格の決定の申立てを行うことができます(会社法第144条第7項、第2項)。この申立てがなされなかった場合は、供託すべき額が売買価格となります(会社法第144条第7項、第5項)。
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