ファンドの運営及び管理についてのサポート

ベンチャーキャピタルの方へ

ベンチャーキャピタルがファンドを運営するにあたっては、基本的にファンドの組合契約に基づいて運営を行っていくものの、ファンド組成当時に想定していなかった事情が生じて、組合契約の解釈が問題になったり、組合契約を修正する必要が生じたりする場合があります。

例えば、ファンドとGPの取引は想定しなかったもののかかる取引の必要性が生じるケース、ファンドの投資対象領域を拡大する必要が生じるケース、次のファンドの組成について制限を設けていたが事情により早い時期に次のファンドの組成が必要となるケースなどがあります。また、複数ファンドを運営するなかで、ファンド間の利益相反について懸念事項が生じるケースや、ファンドとGP又はその関連会社の間の取引に関して、金融商品取引法上禁止されている損失補てんに該当しないか懸念されるケースなどもあります。このような場合には、関連法令に配慮しつつ、法的な解釈を検討し、場合によっては、組合契約の修正を行う必要が生じる場合もあります。

また、投資先企業に対する役員派遣に関して、リスクが発生する事態になったり、投資先企業とトラブルが生じたりする場合もあります。さらに、投資先企業の株主総会における特定の議案について、株主として、どのように対応するべきか判断しなければならず、また、投資契約におけるベンチャーキャピタルの各種権利の行使について、慎重に対応するべき場面もあります。ベンチャーキャピタルは、ファンドのGPとして善管注意義務を負っているため、善管注意義務に違反しないかという点に常に留意して行動する必要があります。

AZXでは、ファンドの運営及び管理について、多数のベンチャーキャピタルをサポートしてきた経験に基づき、各種アドバイスや必要な書面作成等の対応を行っております。また、AZXの会計チームにより、ファンドの税務会計処理をサポートすることも可能です。

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    投資事業有限責任組合は、外国の会社の株式や社債等に投資をすることも可能です(投資事業有限責任組合契約に関する法律第3条第1項第11号)。但し、無制限に外国の会社の株式等に投資できるものではなく、その取得価額が総組合員の出資総額の50%未満に制限されている点に注意が必要です(同法施行令第3条)。

  • 投資事業有限責任組合は、貸付けをすることもできるのでしょうか。
    投資事業有限責任組合は、貸付けをすることも可能です(投資事業有限責任組合契約に関する法律第3条第1項第5号)。但し、貸付けを業として行う場合は貸金業の登録が必要となりますので、投資事業有限責任組合が貸付けを行う場合、貸金業の登録の要否について予め検討しておく必要があります。
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    投資事業有限責任組合において、組合財産を分配する場合、貸借対照表上の純資産額を超えて分配してはならないという制限があります(投資事業有限責任組合契約に関する法律第10条第1項)。かかる制限に違反して分配が行われた場合、当該分配された金額の範囲内で、有限責任組合員も組合の債務を弁済する責任を負うことになります(同条第2項)。
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    ※適格機関投資家等特例業務に関しては、改正法の施行による変更が予定されています(2015年6月現在)。
    金融商品取引法上の投資運用業に該当する場合には、同法において一定の禁止行為が規定されており、自己又はその取締役等との取引による運用、運用するファンド相互間の取引による運用など、利害相反の問題をはらむ運用行為が原則として禁止されます。適格機関投資家等特例業務の場合には上記規制は適用されませんが、法令上ファンドの運営者としての善管注意義務を負います(民法第671条、第644条、投資事業有限責任組合契約に関する法律第16条、有限責任事業組合契約に関する法律第56条等)。そのため、あるファンドを犠牲にして他のファンドの利益を優先するような運営を行った場合、当該犠牲になったファンドの組合員に対して善管注意義務違反となる可能性があります。運用の自由度を確保するためには、ファンド間の取引が可能であることや、いずれのファンドから投資を行うかについてGPの裁量で決定できることを、組合契約において規定しておいた方が良いと考えられます。もっとも、その場合でもGPとしての善管注意義務を尽くす必要はあることになります。
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