ネット選挙のビジネスチャンス!前編

投稿日:2013/06/06


ブログ画像第3回候補2

SMプロフ

 

AZX弁護士の菅原です。早速ですが、政治家に転身します!

 

・・・はい、嘘です。最近弁護士から政治家になる方が多いので「弁護士さんってことはやっぱり将来は政治家ですか!?」とかいわれますが、私には(ヾノ・∀・`)ムリムリ

 

さて、今回のテーマは「ネット選挙のビジネスチャンス!」です。

先日も、グリー、Twitter Japan、ドワンゴ、ヤフー、Ustream Asia、LINEの6社がネット選挙に向けた共同事業を立ち上げると発表しました(読売新聞オンライン)。ネット選挙ブームは、参議院選挙に向けてますます加熱していくことでしょう。

法律の変わり目はビジネスチャンスの宝庫です。

早速、先日成立した改正公職選挙法(以下「改正公選法」といいます。)のもとで、以下にあげる4つの架空のサービスが適法かどうか、検討してみます。(前編で2つ、後編で2つのサービスを検討していきます。)

 

1 ネットは全てうちにお任せ!「ネット選挙お任せ隊」

いきなりネット選挙といわれても、何をしたらいいかわからない、そんな政治家の皆様のために、ネット選挙お任せ隊は、Twitter、Facebook、メルマガその他のネットサービスを、皆様の代わりに運営します。弊社が原稿も書き、投稿もするので、皆様に手間は一切かかりません!

 

似たようなサービスをやっている会社も既にありますが、丸ごとお任せ!というこんなサービスも、今後でてくるかもしれません。ソーシャルメディア上でインフルエンスの大きい大物芸能人の政治家デビューなどにおいては重宝されそうなサービスですね。

さて、このサービスに限った話ではないのですが、サービスを始める前に、「このサービスを行うと買収罪に該当しないか」を慎重に検討することは非常に重要です。

 

買収罪は公職選挙法221条第1項に規定されており、簡単にいうと「当選を目的として、選挙人(有権者)や選挙運動者に対し金銭等の授受をしてはならない」という規定です。この規定は、改正公選法でも変わっていません。

選挙運動に協力してくれる支援者に対してお金を渡すことがこれの典型例ですが、「ウェブ代行業者がメルマガやTwitterの配信を行い、それに対して報酬を支払った」などの場合も、買収罪となる可能性がある、というのが総務省の見解です。

ポイントは、「業者」が「選挙運動者(選挙運動の主体)」といえるかですが、ネット選挙で業者がどこまでやると「選挙運動の主体」と判断されるかは、当然先例がないことから非常に微妙な問題です。

 

現在宣伝されているサービスにも、グレーと思われるものがいくつかありますが、最終的には個別の事例ごとに判断せざるを得ないので、グレー領域に踏み込む場合にはそのリスク(3年以下の懲役又は50万円以下の罰金、場合によっては当選無効等)を考えて下さいね。

「ネット選挙お任せ隊」は、政治家が一切ウェブの運営にタッチせず、企業が独自にTwitterやFacebookで選挙活動を行った場合には、対価の支払いが買収にあたる可能性が高いものと考えます。

 

※以下の仮想事例も、対価を取った場合に買収罪に該当するかについては考慮していませんので、ご了承ください。

 

2 未来の首相とチャットしよう!「チャットプレジデント」

このサービスは、未来の首相(になるかもしれない政治家)と有権者が、気軽にチャットで生の意見を伝えられるサービスです。チャットプレジデントは、選挙期間中でも、政治家と双方向コミュニケーションができ、さらに同じ政治家を応援する有権者をつなげるプラットフォームを提供します!

 

ここで、改正公選法の基本構造を簡単にお話します。

改正公選法では、「インターネット等を利用する方法」による選挙活動の一部が解禁されました。ここで「インターネット等を利用する方法」は、①ウェブサイト等を利用する方法と、②電子メールを利用する方法に分けられます(「①ウェブサイト等を利用する方法」とは、「インターネットを利用する方法から②電子メールを利用する方法を除いたもの」という定義になっています。)。

「電子メールを広く認めると、迷惑メールが増えて日常生活に支障がでたり、通信費がかさんだりするので、電子メールを選挙に使う場合は制限を厳しくするけれど、残りのウェブサービスは基本的にOK」というのが、改正公選法の基本的な考え方です。最低限、ここだけは押さえておいてください。

 

以上の基本を踏まえると、こちらのサービスは適法でしょうか。

(政治家が選挙期間中にチャットなんかしてる時間があるんかぃ、というツッコミはなしで。)

 

②電子メールとは、()SMTP方式のもの()電話番号を使って送受信するものの2種類に限定されています。したがって、チャットやTwitterのダイレクトメッセージ、Facebookのメッセージは、「②電子メール」ではなく、「①ウェブサイト等を利用する方法」に分類されるため、改正公選法により、政党等、候補者、一般の有権者も利用することができるようになりました。

というわけで、チャットプレジデントは「適法」ということになります。

執筆者によるコメント

執筆者

AZX Professionals Group
AZX総合法律事務所
弁護士 菅原稔

いかがでしたか?

ネット選挙解禁!といっても、できないことはまだまだたくさんあります。公選法違反は罰則も重いですし影響も大きいですから、サービスを始めようとする際には、ぜひ「AZXビジネスモデル無料審査」をご利用ください。

後編では、

3 特定層にメールを大量転送「必勝メールプッシュ」
4 女子高生が貴方の当選を支援!「ブームメーカー」

の適法性を検討します!


投稿日:2013/06/06