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投資の回収手段として、株式買取請求権を投資契約に定めておく場合、買取義務は投資先の会社に負ってもらえばよいでしょうか。

投資先の会社に株式を買い取ってもらうことは投資先の会社による自己株式の取得であるため、会社法上の規制を受けることになります。具体的には、①株主総会での特別決議が必要となり(会社法第156条第1項、第160条第1項、第309条第2項第2号)、また、②他の株主にも売却権が発生します(会社法第160条第3項)③その対価は、当該取得の効力が生ずる日における分配可能額を超えてはならないとされています(会社法第461条第1項第2号)。その結果、投資先の会社に買取義務を負わせても、上記のような制約により、株式の買取が実現されないおそれがあります。したがって、投資の回収手段という意味では、株式の買取義務は、投資先の会社だけでなく、投資先の会社の代表取締役等の第三者にも負わせた方がよいと考えられます。
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