契約書一般

  • Q&Aの内容は、作成日時点の情報に基づき正確を期するようにしておりますが、最新の法令、判例等との一致を保証するものではございません。また、具体的な案件を想定して作成しておりませんので、個別の案件につきましては専門家にご相談下さい。

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Q00009 口約束はしたものの、契約書を締結していない場合には、契約は成立していないとの理解でよいでしょうか。

日本においては、契約の成立要件は意思表示の合致であるため、書面のない口約束であっても、契約は成立します(但し、例外として、保証契約等書面での締結が要求されるものもあります。)。したがって、書面がないため契約不成立という主張は理論的には成り立ちません。とはいえ、紛争になった場合には、書面がなければ契約成立の事実や内容を証明することが困難になるため、実務的には契約書を交わしておくことが重要です。
(作成日:2012年1月27日)

Q00014 契約書で代金について記載する場合、税込税別の表示をする必要があるでしょうか。

消費税法上、消費者にして価格表示をするときは総額表示が義務付けられていますが、事業者間で締結される取引については総額表示義務の対象にはなりません。従って、事業者間で締結される契約書の代金表示に消費税等の表示が記載されていないと、後に税込表示なのか税別表示なのかで紛争が生じる可能性があります。このような紛争を防止するため、契約において代金について記載する場合には、税込表示なのか税別表示なのかを明記した方が良いと考えます。
(作成日:2012年1月27日)

Q00256 契約書や規約において東京地方裁判所を管轄裁判所として規定する場合、書き方について注意する点はありますか。

管轄の合意には、特定の裁判所だけを管轄裁判所とし、法定管轄を排除する合意である専属的合意と、法定管轄の他に更に管轄裁判所を付け加える合意である付加的合意の2種類があります。よって、東京地方裁判所以外への提訴は認めたくないのであれば、東京地方裁判所が専属的管轄裁判所である旨を明記する必要があります。
(作成日:2012年1月27日)

Q00255 契約書や規約において裁判管轄についての規定を設けることにはどのような意味があるのでしょうか。

契約で裁判管轄の定めがない場合には、民事訴訟法の定める法定管轄に従うことととなり、例えば、法人に対する財産権上の訴えは、被告である法人の主たる事務所又は営業所を管轄する裁判所(民事訴訟法第4条第1項、第4項)又は義務履行地を管轄する裁判所(民事訴訟法第5条第1号。金銭債務の場合、原則として債権者の住所となります。)に提起することになります。契約当事者の所在地が離れている場合、契約内容や訴えの内容によって、相手方の所在地に法定管轄が認められ、そちらの裁判所に提訴される可能性があります。そのような事態を避けるため、できるだけ契約において自己に便利な場所の裁判所を管轄裁判所として定めることが望まれます。
(作成日:2012年1月27日)

Q00254 契約において損害賠償の範囲についてはどのような規定を設ければいいでしょうか。

賠償すべき損害の範囲と金額的な上限の設定がポイントとなります。例えば、開発業務の受託者側のように、相手方よりも自己の方が損害賠償請求される可能性が高い場合や賠償額が高額になる可能性が高い場合には、①賠償の範囲を通常かつ直接の損害に限定すること、②賠償額の上限を委託代金額にすることなどが考えられます。他方、自己が相手方に対し損害賠償請求する可能性の方が高いような場合や大きな損害発生の可能性があるような場合には、直接的損害及び通常損害のみならず、逸失利益、事業機会の喪失、データの喪失、事業の中断、その他の間接的、特別的、派生的又は付随的損害も含めて賠償する旨を規定しておくことが考えられます。
(作成日:2012年1月27日)

Q00253 売買契約書を作成するにあたって、対象物の所有権の移転時期についてどのように定めればよいでしょうか。

所有権の移転時期については民法上の原則的ルールがありますが、疑義を避けるために契約書で明確にしておくことが望ましいと考えられます。一般的には、自己が所有権を譲り受ける側である場合には、対象物の納入時など早い段階で所有権を移転させる方がよく、自己が所有権を譲り渡す側である場合には、対象物の検収が完了し、対価の支払いを受けたときのように遅い段階で所有権を移転させる方がよいと考えられます。
(作成日:2012年1月27日)

Q00252 課税文書であるのに印紙が添付されていない契約書は無効になってしまうのでしょうか。

印紙税法に基づく印紙貼付の義務と、契約の成立・効力とは別の問題です。よって、印紙を貼付すべき契約書に印紙を貼らなかった場合でも、契約書として無効になるわけではありません。但し、印紙税の納税を怠ると過怠税が課されることになるので注意が必要です。
(作成日:2012年1月27日)

Q00018 契約書に「違約金」の定めがある場合、その額以上に損害賠償を請求することはできないでしょうか。

契約において義務違反の場合には一定額の金銭を支払うことをあらかじめ約束することがあり、このような金銭を違約金といいます。違約金の性質は、賠償額の予定や違約罰など種々のものが考えられますが、民法は違約金を賠償額の予定と推定するものとしています(民法第420条第3項)。賠償額の予定においては、実際の損害額が予定額を上回ったとしても増額を請求することができないため、増額を請求する場合にはそう主張する者が当該違約金が賠償額の予定ではないことを主張・立証しなければなりません。従って、違約金でカバーされない実際の損害額を請求したいと考えるのであれば、契約書において「違約金の額を超える損害が発生したときは、その超過額を請求することができる」等と規定しておいた方が良いと考えられます。
(作成日:2012年1月27日)

Q00017 契約書に目的物の引渡費用の負担について記載がない場合には誰が負担することになるのでしょうか。

民法は、不特定物の引渡しは債権者の現在の住所においてしなければならないと定めており(民法第484条)、また弁済の費用は原則として債務者の負担となることを定めています(民法第485条)。従って、売買契約等において目的物の引渡場所や運搬費用についての定めを置かない場合、売主は買主の所在地において目的物を提供しなければならず、その運搬費用も売主の負担となる可能性が高くなります。運搬費用を買主に負担してもらいたいと考える場合には、その旨を契約書において明確に規定しておく必要があるため注意が必要です。
(作成日:2012年1月27日)

Q00016 契約書に代表取締役ではなくて部長がサインをしても大丈夫でしょうか。

会社が当事者となる契約を締結する場合には、会社を代表して契約書にサインをする者が契約締結権限を有するのかが重要になります。この点、会社の代表取締役には法により会社を代表する権限が与えられているため(会社法第349条第3項)、多くの場合は代表取締役のサインをもらうのが安全であるといえます。
もっとも、部長や課長といった会社の使用人も会社からの委任等により契約締結権限を与えられていることがあります(会社法第14条第1項)。但し、このような契約締結権限が与えられているかは外部の人間は通常知ることができないため、部長や課長といった会社の使用人にサインをしてもらう場合、重要な契約であれば委任状等により契約締結権限を慎重に確認した方が安全と考えられます。
(作成日:2012年1月27日)

Q00015 「○○○は両者の協議により定める」といった条項を設けることになにか問題があるでしょうか。

契約書において「○○○は両者の協議により定める」といった条項が設けられていることがありますが、このような条項は、協議をしたが合意に至らない場合にどのように取り扱うことになるのかが不明確になる懸念があります。業務提携の初期段階において締結される覚書等のように、未確定の事項が多い段階においてこのような協議条項を設けるのはやむ得ない面がありますが、具体的な取引条件が確定した段階で締結される契約において、このような協議条項が混入しているような場合には、本来定めるべき重要な事項について法律関係が不明確になってしまうことや、自社に不利な部分だけが確定していて、有利に働く部分については協議が必要になってしまうということも懸念されます。協議条項はそのようなリスクを考慮の上で検討するべきと考えられます。
(作成日:2012年1月27日)

Q00013 契約書に契約当事者でない者の義務を記載した場合にその者に義務は生じるでしょうか。

契約書において契約の当事者となっていない者の義務に関する条項が設けられていることがあります。しかし、契約により義務が生じる根拠は、契約の当事者として契約締結の意思表示をしたことに求められますので、契約当事者以外の者がこのような条項により義務を負うものではありません。例えば、A社とB社が締結した契約書に、「B社が債務を支払わないときは、C社が債務を支払う」といった条項がある場合、たとえC社がB社の子会社であったとしても、それだけでC社に義務が生じることにはなりません。C社に義務を生じさせたいのであれば、ABCの3者を当事者とする契約書を作成する必要があると考えます。
なお、A社とB社との契約において、C社に一定の義務の引受を条件に一定の権利を付与する旨を規定した場合に、C社が後日これを受け入れる意思表示をした場合には、いわゆる第三者のためにする契約としてC社が有効に権利義務を取得する可能性があります(民法537条)。
(作成日:2012年1月27日)

Q00012 まだ契約を締結していない準備段階において、交渉を一方的に破棄することに何か責任が生じることがあるでしょうか。

まだ契約を締結していない段階においても、契約締結の準備段階に入った当事者は、相手方に対し損害を被らせないようにする信義則上の義務を負い、これに違反して相手方に損害を負わせた場合には、その賠償責任を負う場合があるものと解されています。これを契約締結上の過失責任といいます。従って、まだ契約締結を締結していない準備段階であったとしても、交渉が一定程度進み、契約成立への期待と信頼をもとに相手方が取引実施の準備をしているような段階において、契約交渉を一方的に破棄した場合等には、これにより相手方に生じた損害を賠償する責任が発生することがあるので注意が必要です。
(作成日:2012年1月27日)

Q00010 免責の定めは無効になる場合があるそうですが、それはどのような場合ですか。

消費者と事業者との間で締結される消費者契約においては(消費者契約法第2条第3項)、以下に挙げる条項は無効となります(消費者契約法第8条)。
①債務不履行により生じた損害につき、責任の全部を免除する条項(第1号)。
②故意又は重大な過失による債務不履行により生じた損害につき、責任の一部を免除する条項(第2号)。
③不法行為により生じた損害につき、責任の全部を免除する条項(第3号)。
④故意又は重大な過失による不法行為により生じた損害につき、責任の一部を免除する条項(第4号)。
消費者契約以外についても、免責の定めが強行法規に反する場合には無効となります。また、相手方に過度の負担を負わせ、あまりに酷な場合には、公序良俗違反等の一般条項により、免責の定めが無効となる可能性があります。
(作成日:2012年1月27日)

Q00302 契約の相手方から反社会的勢力の排除に関する契約条項の追記を求められるケースがありますが、これはどのような趣旨なのでしょうか。

反社会的勢力との関与による不祥事の多発を受けて、証券取引所の規則において、上場会社の反社会的勢力の関与禁止が規定されるようになりました。上場審査においても、「新規上場申請者の企業グループが反社会的勢力による経営活動への関与を防止するための社内体制を整備し、当該関与の防止に努めていること及びその実態が公益又は投資者保護の観点から適当と認められること」が審査されることになっています(上場審査等に関するガイドラインⅡ6)。
また、近時施行された東京都暴力団排除条例は、暴力団と交際すること自体を禁止する内容となっており、契約書に一定の暴力団排除条項を記載することが努力義務とされています。
(作成日:2012年1月27日)