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インターネットサービス等における海外の利用者との契約関係において日本の法律が適用されるのでしょうか。

海外に居住する消費者との間の契約において、どの国の法規が適用されるかという問題については、法の適用に関する通則法(以下「通則法」といいます。)が、以下のようなルールを定めています。①契約において準拠法の選択がない場合には、原則として「消費者の常居所地法」を適用する(通則法第11条第2項)。②契約において準拠法の選択がある場合には、選択した地の法の適用が認められる(通則法第7条)。但し、「消費者がその常居所地法中の特定の強行規定を適用すべき旨の意思を事業者に対し表示したとき」は、その強行規定をも適用する(通則法第11条第1項)。従って、例えばインターネットサービス等において海外のA国に居住する者がサービスを利用した場合、利用規約に準拠法の定めがない場合には、当該利用者との間ではA国の法規が適用されることになります。一方、利用規約において準拠法を日本とする旨の規定を設けた場合には、当該利用者との間でも原則として日本法が適用されることになりますが、当該利用者はA国の消費者保護法規中の特定の強行規定の適用を主張して、その強行法規による保護も受けることができることになります。
但し、上記の説明は日本の裁判所に提訴された場合を前提としています。外国において提訴された場合には、原則として当該国のルールに従って処理されることになるため、最終的には当該国の法律の専門家のアドバイスを受けることが必要となります。
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