責任限定契約書

書式/雛型 - 責任限定契約書

責任限定契約書

 

責任限定契約書


※本雛型は簡易版であり、あらゆるケースに対応したものではありません。ご利用にあたっては、適宜専門家にご相談頂くようお願いいたします。

●(以下「本役員」という。)と株式会社●(以下「会社」という。)とは、会社の非業務執行取締役等(会社法第427条第1項により定義される非業務執行取締役等を意味する。以下同じ。)としての本役員の責任について、以下のとおり本責任限定契約書(以下「本契約」という。)を締結する。[1]

 

第1条 目 的

本契約は、会社の定款及び会社法第427条その他の法令の定めに従い、本役員が会社の非業務執行取締役等として職務を行うにつき会社に対し損害を与えた場合における、本役員の損害賠償責任に関して限度を定めることを目的とする。

第2条 賠償責任の限定

本役員の会社法第423条第1項の責任について、本役員が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、本役員の責任は、●円[2]と会社法第425条第1項で定める最低責任限度額とのいずれか高い額を限度とする。

第3条 会社法上の制約等

1. 本役員が本契約によって第2条に規定する限度を超える部分について損害を賠償する責任を負わないとされた場合、本役員は、会社法上必要な手続を完了するまでは、会社法第425条第1項第2号の新株予約権を行使又は譲渡することができない。

2. 本役員が本契約によって第2条に規定する限度を超える部分について損害を賠償する責任を負わないとされた場合において、本役員が会社法第425条第1項第2号の新株予約権を表示する新株予約権証券を所持するときは、本役員は、遅滞なく、当該新株予約権証券を会社に預託するものとする。

第4条 効 力

1. 本契約は、本契約の締結日に効力を生じ、本役員が会社の非業務執行取締役等としての地位を喪失する時まで効力を有するものとする。なお、本役員が任期満了その他の理由で形式上会社の非業務執行取締役等としての地位を喪失した場合であっても、即時に再選され引き続き会社の非業務執行取締役等としての地位を保有することとなった場合には、引き続き本契約が有効に適用されるものとする。

2. 本役員が会社の業務執行取締役等(会社法第2条第15号イにおいて定義される業務執行取締役等を意味する。)に就任したときは、本契約は、将来に向かってその効力を失うものとする。

3. 本契約が終了した場合でも、本役員が本契約の有効期間中に会社の非業務執行取締役等として行った行為に関しては、本契約は適用されるものとする。

第5条 法令及び定款と本契約との関係

1. 本契約に定めのない事項に関しては、会社の定款及び会社法その他法令の定めるところによる。

2. 本契約に基づく責任限定は、絶対唯一のものではなく、会社の定款又は会社法その他の法令による他の責任限定及び救済を妨げるものではない。

3. 総株主の同意又は会社法第425条若しくは会社法第426条の定めに基いて、第2条に規定する限度を超える部分の全額について本役員の責任が免除された場合には、本契約は適用されないものとする。

第6条 税務処理

本役員は、本契約に基づく責任の減免に関する税務上の問題については自己の責任及び費用で処理するものとする。

第7条 役員賠償責任保険

会社は、役員賠償責任保険に関して、加入するか否か、加入する場合の保険契約の内容その他の事項を、その裁量で適宜決定することができる。

第8条 契約内容の変更

本契約の内容は、本契約の当事者の書面による合意によってのみ変更することができる。

第9条 完全合意

本契約は、本契約に含まれる事項に関する本契約の当事者間の完全な合意を構成し、口頭又は書面によるとを問わず、当事者間の本契約に定める事項に関する事前の合意、表明及び了解に優先する。

第10条 分離可能性

本契約のいずれかの条項又はその一部が無効又は執行不能と判断された場合であっても、本契約の残りの規定及び一部が無効又は執行不能と判断された規定の残りの部分は、継続して完全に効力を有し、本契約の当事者は、当該無効若しくは執行不能の条項又は部分を適法とし、執行力を持たせるために必要な範囲で修正し、当該無効若しくは執行不能な条項又は部分の趣旨並びに法律的及び経済的に同等の効果を確保できるように努めるものとする。

第11条 準拠法及び合意管轄

本契約の準拠法は日本法とし、本契約に関連して生じた紛争については、東京地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。

第12条 協 議

本契約に定めのない事項及び解釈の疑義については、法令の規定並びに慣習に従うほか、両当事者誠意をもって協議解決を図るものとする。

以上、本契約締結の証として本書2通を作成し、本役員及び会社が記名押印の上各1通を保有する。

●年●月●日

本役員:[●住所]     [●氏名]

会社:[●住所]    株式会社●
    代表取締役 ●


[1]本契約の締結には、定款の定めが必要(会社法第427条第1項)。この定めは登記事項(会社法第911条第3項第25号)。監査役設置会社、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社において、定款を変更してこの定め(取締役(監査等委員又は監査委員であるものを除く。)と契約を締結することができる旨の定めに限る。)を設ける議案を株主総会に提出するためには、取締役は各監査役、各監査等委員又は各監査委員の同意を得なければならない(会社法第427条第3項)。

[2]定款で定めた額の範囲内で定める必要がある(会社法第427条第1項)。定款において責任免除の限度額についての具体的金額の定めがない場合は、具体的金額による下限設定は不要となる。