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【法人税】役員給与の取り扱い②

2016/07/11
[定期同額給与]

以下のものが損金の額に算入することができる定期同額給与に該当します。

1 法人が役員に対して支給する給与のうち、その支給時期が一月以下の一定の期間ごとである給与(定期給与)で、かつ、その事業年度の各支給時期における支給額が同額であるもの

2 役員に対して支給する給与が改定された場合で、給与改定があった事業年度開始の日又は給与改定前の最後の支給時期の翌日から給与改定後の最初の支給時期の前日又は当該事業年度終了の日までの間の各支給時期における支給額が同額であるもので、かつ、その給与の改定が次のいずれかに該当するもの

(1) 当該事業年度開始の日の属する会計期間開始の日から三月を経過する日までにされた定期給与の額の改定

(2) 当該事業年度において当該法人の役員の職制上の地位の変更、その役員の職務の内容の重大な変更その他これらに類するやむを得ない事情によりされたこれらの役員に係る定期給与の額の改定(上記(1)に掲げる改定を除く)

(3) 当該事業年度において当該法人の経営の状況が著しく悪化したことその他これに類する理由によりされた定期給与の額の改定(その定期給与の額を減額した改定に限り、上記(1)及び(2)に掲げる改定を除く)

3 継続的に供与される経済的な利益のうち、その供与される利益の額が毎月おおむね一定であるもの

[一月以下の一定の期間]

定期同額給与の「その支給時期が一月以下の一定の期間ごと(上記の1)」である給与とは、あらかじめ定められた支給基準(慣習によるものを含む。)に基づいて、毎日、毎週、毎月のように月以下の期間を単位として規則的に反復又は継続して支給されるものをいい、例えば、非常勤役員に対し年俸又は事業年度の期間俸を年1回又は年2回所定の時期に支給するようなものは、たとえその支給額が各月ごとの一定の金額を基礎として算定されているものであっても、定期同額給与には該当しません。

[職制上の地位の変更等]

「役員の職制上の地位の変更、その役員の職務の内容の重大な変更その他これらに類するやむを得ない事情(上記の2(2))」とは、例えば、定時株主総会後から次の定時株主総会までの間に社長が退任したことに伴い臨時株主総会の決議により副社長が社長に就任する場合や、合併に伴いその役員の職務の内容が大幅に変更される場合をいいます。

[経営の状況の著しい悪化に類する理由]

「経営の状況が著しく悪化したことその他これに類する理由(上記の2(3))」とは、経営状況が著しく悪化したことなどやむを得ず役員給与を減額せざるを得ない事情があることをいい、例えば、法人の一時的な資金繰りの都合や単に業績目標値に達しなかったことなどはこれに含まれません。

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