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【所得税】国外転出をする場合の譲渡所得等の特例(いわゆる出国税)の創設

2015/07/10

巨額の含み益を有する株式を保有したまま、キャピタルゲイン非課税国に出国しその株式を売却することで日本での課税を回避するといった事態に対応するため、出国時に未実現の含み益に対して特例的に課税する制度が創設され、2015年の7月1日以降適用されます。

(1)対象者:以下の要件をいずれも満たす居住者が該当します。
①国外転出をする時に有価証券や匿名組合の出資の持分の価額、及び未決済デリバティブ取引等の含み損益の合計額が1億円以上である者
②国外転出の日前10年以内に、国内に住所又は居所を有していた期間の合計が5年超である者

(2)対象資産:有価証券(株式、投資信託等)、匿名組合の出資の持分、未決済デリバティブ取引等

(3)申告及び申告税額等:下記の場合に区分されます。
①国外転出年分の確定申告までに納税管理人の届出を行った場合
⇒国外転出の時における対象資産の金額で譲渡又は決済を行ったものとみなして計算した所得
②①の届出を行っていない場合
⇒国外転出の予定日の3ヶ月前の日における対象資産の金額で譲渡又は決済を行ったものとみなして計算した所得

(4)帰国による課税の取り消し:国外転出後5年を経過する日までに帰国をした場合において、その帰国の日から4月を経過する日までに更正の請求をすることにより、国外転出の時から引き続き有していた対象資産についての課税の取り消しを受けることができます。

(5)納税猶予:以下の要件をいずれも満たすことによりみなし譲渡とされた所得に係る所得税は国外転出の日から5年を経過する日まで、納税が猶予されます。(さらに、届出により国外転出の日から10年を経過する日まで延長することが出来ます)
①国外転出の日の属する年分の確定申告書に納税猶予を受けようとする旨の記載をする
②その所得税に係る確定申告書の提出期限までに、納税猶予分の所得税額に相当する担保を供し、かつ、納税管理人の届出をする
参考: 国税庁HPサイト https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/denshi-sonota/kokugai/pdf/01.pdf

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