AZXポリシー

Q11 AZXにてベンチャーサポートにおいて重要だと考えていることは何でしょうか?

ベンチャー企業の皆様をサポートするにあたって特に重要なことは、①方針の明確性、②柔軟性、③スピードの3点と考えています。

◆方針の明確性

「方針の明確性」とは、ベンチャー企業が右と左のどちらの方向に進むべきか、進んでよいのか止まるべきなのかの方針を明確に示すことです。

アドバイザーにアドバイスを依頼した場合、「AとBの方法があります。Aには、こういうリスクがあります。Bにはこういうリスクがあります。」と伝えられて、そこでアドバイスが終わってしまうケースが多くあります。これに対して、企業側では「で、どうすればよいの???」と困惑してしまうことがあります。社内においてある程度専門家を抱えている大企業であれば、リスク分析だけしてもらえればあとは自分たちで判断できる場合もあります。

しかし、ベンチャー企業の場合は、AとBどちらもリスクがあることは分かったが、自分たちは進まなければならないのだから、いずれもリスクがあるとしても、AとBどちらに行ったらよいのかということについてアドバイスを受けたいと考えているケースがほとんどです。また、Aの方がリスクが小さいとしても、当該企業の社内外の状況からするとAは現実的ではないという可能性もあり、法的なリスクの程度以外の要素で、Bを選択せざるを得ないような場合があります。その場合は、AとBを比較するだけでは意味がなく、Bに進まざるを得ない前提で、リスクを最小限にするにはどうしたらよいのかというアドバイスが必要となります。

AZXでは、20年以上にわたり6000社以上のベンチャー企業をサポートしてきた知識と経験を踏まえて、アドバイスにあたり、「どちらに進むべきか。何をするべきか。」をクライアントの皆様に示すことの重要性を意識して、アドバイスにおける「方針の明確性」を高めるよう努めております。

◆柔軟性

「柔軟性」とは、ベンチャー企業がビジネスを成長させていくうえでプラスになる方向で柔軟な思考を行って解決策を考えていくということです。

あるビジネスモデルが、法的な規制や特許の問題でクライアントが考えた形での実現ができない場合に、「無理ですね。」とアドバイスをしてもほとんど価値がありません。既になけなしのお金を投入して会社を作り、ビジネスを進めている起業家にとっては、法的に難しいことが分かってリスクをヘッジできても、ビジネスを止めることは窒息死を意味してしまうため、なんとか代替手段を考えざるを得ません。同じビジネス的な効果や機能を実現するために、何とか柔軟に知恵を絞って、法的に実現できるビジネスモデルを考える必要があります。

また、ベンチャー企業は、資金や人材の状況により、法的にはグレーなモデルについて、それを完全にホワイトな状況に整備することが現実的には難しい場合があります。ユーザー数が少なく、ビジネスとして赤字の状況においては、コンプライアンスレベルだけをあげてそれに対して赤字を拡大するという選択肢は難しい状況が多いのが現実です。ある程度、企業のステージに合わせて、まずは多少グレーでもユーザーを拡大し、ビジネスとして形になった段階でよりコンプライアンスのレベルを上げるという対応も必要な場合もあり、リスクの程度を考慮しつつ、また、最終的なIPOやM&Aのステージまでにどこまで整備する必要があるかという目標地点を把握したうえで、柔軟に考えてビジネスを進めていく必要があり、われわれアドバイザーもその点を理解して柔軟なアドバイスをすることが重要であると考えています。

もちろん、「柔軟に」といっても刑事罰に抵触するようなリスクは避ける必要があり、企業として、取れるリスクと取れないリスクはあります。従って、グレーでも黒でもとにかくアグレッシブに進むことが柔軟性であるとは考えていません。

ビジネスには必ずリスクがあり、それは法務や税務・会計上のリスクも同様であることを認識して、そのリスクの程度を踏まえ、必要以上にリスク回避的な姿勢を避け、取れるリスクと取れないリスクを見極めて柔軟に対応することが重要であると考えています。

◆スピード

「スピード」に関しては、現在のビジネス環境においては、ベンチャー企業に限らず、あらゆる企業においてスピードが要求されることは言うまでもありません。われわれアドバイザーのアドバイスの遅さが企業のビジネスのスピードを妨げるようなことがあってはいけません。

AZXとしては、アドバイス内容というアウトプットだけでなく「スピード」も重要な品質の一つであると認識し、できるだけ迅速な対応をするよう心掛けています。

他方で、がむしゃらにスピードアップをして品質が劣化することは避ける必要があり、クライアントの皆様に適切なタイミングでアドバイスをすることが品質としての「スピード」であると考えています。

つまり、品質としての「スピード」は単に驚異的に速いということではなく、クライアントが考えているスケジュールを理解して、そのスケジュールに合わせた範囲で適切なタイミングでアドバイス等の対応を行うことだと考えています。

そのため、各案件の依頼を受ける際に、クライアントと「期限」を確認するよう努めています。期限の確認の中で、クライアントの想定しているスケジュール感を理解し、クライアントの想定スケジュールをできるだけ尊重する形で対応することが重要であると考えています。

当然、実際のケースでは、クライアントが想定するスケジュールでは到底対応できないような場合もあり、その場合には、アウトプットを段階的に出す形にさせてもらう、費用が多少かかることをご理解の上投入する人員を増やすなどの形を、クライアントの皆様と相談しながら柔軟に対応しています。