各種投資スキームの検討

ベンチャーキャピタルの方へ

ベンチャー企業への投資にあたっては、単純に新株の発行を受ける場合もありますが、ベンチャーキャピタルが投資を行う前提として、他の会社から事業を切り出してきて新会社を設立したり、社長が保有している特許を会社に帰属させるためのスキームを組んだり、株主を入れ替えるために既存株主の株式を移転するスキームを組んだり、社長の貸付金をデット・エクイティ・スワップにより株式に転換させたり、大量に発行されてしまっている新株予約権を整理したりすることがあり、投資にあたり、ベンチャーキャピタルとして投資に適する状況に整備するために、複雑なスキームを組むことがあります。

これらのスキームについては、会社法、金融商品取引法等の各種法令を慎重にチェックして、その有効性と実行可能性を確認する必要があります。


AZXでは、多くのベンチャーファイナンスをサポートしてきた経験を踏まえ、各スキームの検討、スケジュールの策定、スキーム実行に必要な書類の作成、法務局との折衝、登記手続などの対応を行っております。また、グループ内に公認会計士及び税理士も所属しているため、税務会計面からサポートすることも可能です。

関連するナレッジ
  • 優先株式による投資を普通株式の発行と同時のタイミングで行う場合の留意点は?
    優先株式と普通株式の発行を同時に行う場合、その価格が同じであると、一方の株式(通常は優先株式)について会社法上有利発行に該当する可能性があり、また、税務上の問題が生じる可能性があります。どの程度の価格の差異を設ければよいのかの判断基準は明確ではなく、厳密な対応は難しいと考えますが、上記の問題を認識したうえで発行手続を行う必要があると考えます。
  • ベンチャーキャピタルが、マイルストーン投資を実現するため、最初の投資時に新株予約権の付与も受けておくスキームをとる場合の留意点は?
    ベンチャーキャピタルが、最初の投資時に新株予約権の付与も受ける場合、その新株予約権の付与を受けることについて税務上問題が生じる可能性があります。また、役員及び従業員以外の社外への付与となるため、金融商品取引法上「募集」にあたらないように留意していただく必要があります。その他、従業員用のストックオプションと異なり、行使の条件や取得の条件が限定されていないものとした方がベンチャーキャピタルにとって有利であるため、その内容を慎重に検討する必要があると考えます。
  • 複数のファンドをGPとして運営している場合、GPとしてファンド間の公平等に配慮する必要はあるのでしょうか。
    ※適格機関投資家等特例業務に関しては、改正法の施行による変更が予定されています(2015年6月現在)。
    金融商品取引法上の投資運用業に該当する場合には、同法において一定の禁止行為が規定されており、自己又はその取締役等との取引による運用、運用するファンド相互間の取引による運用など、利害相反の問題をはらむ運用行為が原則として禁止されます。適格機関投資家等特例業務の場合には上記規制は適用されませんが、法令上ファンドの運営者としての善管注意義務を負います(民法第671条、第644条、投資事業有限責任組合契約に関する法律第16条、有限責任事業組合契約に関する法律第56条等)。そのため、あるファンドを犠牲にして他のファンドの利益を優先するような運営を行った場合、当該犠牲になったファンドの組合員に対して善管注意義務違反となる可能性があります。運用の自由度を確保するためには、ファンド間の取引が可能であることや、いずれのファンドから投資を行うかについてGPの裁量で決定できることを、組合契約において規定しておいた方が良いと考えられます。もっとも、その場合でもGPとしての善管注意義務を尽くす必要はあることになります。
  • ベンチャーキャピタルが、投資後に、投資対象会社に他の会社との取引についての紹介行為を行う場合の留意点は?
    その紹介内容によっては、ベンチャーキャピタルの投資家としての利益と、発行会社の利益との相反関係が生じる場合があり、そのような紹介行為によって生じた問題を巡って後日トラブルになるケースが考えられます。たとえば、(a)投資対象会社のM&Aによるエグジットを図ろうとして買収候補先の会社をベンチャーキャピタルが紹介するような場合や、(b)ベンチャーキャピタルが投資している他の会社との業務提携を提案するような場合に、利益の相反が生じる可能性があります。それゆえ、(i)そのような利益相反がありうることについて発行会社は認識している旨、(ii)発行会社は自己責任で取引を行うべき旨、(iii)発行会社は情報の内容については自己責任で確認すべき旨を記した誓約書を取得したうえで紹介行為を行うような対応をされた方が安全です。さらに、ベンチャーキャピタルが有償で紹介契約を締結しているような場合や、社外取締役を派遣している場合は、契約上の善管注意義務違反や、取締役としての善管注意義務違反との関係も問題になるため、より慎重な対応が必要となります。
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