ファンドの組成についてのサポート

ベンチャーキャピタルの方へ

ベンチャーキャピタルがファンドを組成する場合、日本では民法又は投資事業有限責任組合法に基づいて組合契約を締結するのが一般的です。

組合契約の設計にあたっては、民法又は投資事業有限責任組合法及び金融商品取引法に適合するように留意することはもちろんのこと、複雑な成功報酬規定や分配規定を定める場合には、矛盾点がないか、想定外のケースはないかなどについて慎重に確認する必要があります。また、GPの裁量権の確保とLPの同意権等による関与の度合いについて、どのように調整するかのバランスを考えるとともに、GPとファンドとの取引の可能性やGPが複数ファンドを運営している場合の投資の方針等の利益相反関係についても考慮しながら設計する必要があります。


ファンドの組成にあたっては、第二種金融商品取引業の登録を行っていないケースでは、適格機関投資家等特例業務の届出を行い、当該特例要件を満たす必要があり、ファンドのスキームの検討にあたり、この点について慎重に確認することは重要です。特に、ファンドからの出資を受け入れるファンド・オブ・ファンズの形態を採る場合などは注意が必要です。
ファンド募集の資料については、金融商品取引法に基づく目論見書が要求される場合にはその要件を満たしているかの確認をする必要があり、仮に、法令上かかる書面が要求されない場合であっても何らかの募集資料を作成するのであれば、その内容について虚偽又は誤解を生じる事項等不適切な部分がないかについて慎重に確認する必要があります。
また、ファンドの組成にあたっては、金融商品販売法に基づく説明義務の履行についても留意する必要があるとともに、犯罪収益移転防止法に基づく本人確認の実行も必要となります。


AZXにおいては、ファンドのスキームの検討、ファンドの組合契約のドラフト、レビュー及び交渉や、ファンド組成資料のレビュー、ファンド組成の登記手続等の対応を行っております。また、金融商品取引法における登録や届出のサポートを行うとともに、金融商品販売法や犯罪収益移転防止法に関するアドバイスも行っております。

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  • ファンドの種類として、民法上の組合と投資事業有限責任組合では何が違うのでしょうか。
    投資事業有限責任組合は組合の一種であり、法律上、民法上の組合に関する規定が多数準用されているため(投資事業有限責任組合契約に関する法律第16条)、民法上の組合と投資事業有限責任組合は基本的には類似した性質を有しています。但し、投資事業有限責任組合は投資のためのビークルとして想定されており、無限責任組合員以外の組合員の責任が有限責任である点が大きく異なります。また、法律上、事業年度毎の財務諸表を作成し、公認会計士等の意見を得る必要がある点でも異なっています。その他、投資事業有限責任組合では、事業目的が法律に定める事項に限定され(同法第3条)、労務出資が認められておらず(同法第6条第2項、民法第667条第2項)、さらに登記制度が存在している(投資事業有限責任組合契約に関する法律第17条)等の違いがあります。
  • ベンチャー投資ファンドのビークルとして有限責任事業組合(LLP)を利用する場合、投資事業有限責任組合(LPS)を利用する場合との大きな違いは何でしょうか。
    LPSでは、GPが無限責任組合員として対外的な無限責任を負いますが、LLPではGPを含む全組合員が組合財産の範囲に責任を限定されます。LPSでは無限責任組合員が業務執行権を有しますが、LLPでは原則として業務執行には全組合員の同意が必要となります。また、LPSでは法律上、財務諸表について公認会計士又は監査法人の意見書を取得する義務がありますが、LLPではそのような義務は規定されていません。このため、少人数で各出資者の意見を反映する方向でファンドを運営する場合などには、LLPの利用を検討する価値が高まると考えられます。
  • 適格機関投資家等特例業務としてファンドを組成する場合、出資を募る相手方の属性に制限はあるのでしょうか。
    ※適格機関投資家等特例業務に関しては、改正法の施行による変更が予定されています(2015年6月現在)。
    適格機関投資家等特例業務としてファンドを組成するには、出資を募る相手方が1人以上の適格機関投資家及び49人以下の適格機関投資家以外の者(法令上「適格機関投資家等」と定義されています。)である必要があります(金融商品取引法第63条第1項第1号、同法施行令第17条の12第1項、第2項)。この点、相手方が適格機関投資家等の要件を満たす場合でも、一定の場合には適格機関投資家等特例業務の要件を満たさなくなってしまう場合があることに注意が必要です。具体的には、相手方が、(a)特定目的会社であってその発行する優先出資等を適格機関投資家以外の者が取得している場合(同法第63条第1項第1号イ)、(b)一定の場合の匿名組合契約の営業者又は営業者になろうとする者であって適格機関投資家以外のものを匿名組合員とする場合(同号ロ)、(c)特別目的会社であってその発行する社債等を適格機関投資家以外の者が取得している場合(同号ハ、金融商品取引業等に関する内閣府令第235条第1号)及び(d)一定の場合の集団投資スキームの運営者であって適格機関投資家以外の者から出資等を受けている場合(同号ハ、同内閣府令第235条第2号)です。したがって、適格機関投資家等特例業務としてファンドを組成する場合、その直接の相手方だけでなく、上記のようなその一定の関係者についても注意が必要です。
  • 適格機関投資家等特例業務としてファンドを組成する場合、ファンドの持分の転売に制限を設ける必要があると聞きましたが、それはどのような内容でしょうか。
    ※適格機関投資家等特例業務に関しては、改正法の施行による変更が予定されています(2015年6月現在)。
    ファンド持分の転売制限については、適格機関投資家等特例業務としてファンドを組成する場合の要件として、適格機関投資家等特例業務として行われる私募において、(a)適格機関投資家に有価証券を取得させる場合は適格機関投資家への譲渡以外の譲渡の禁止という転売制限が付されていること、(b)適格機関投資家以外の者に有価証券を取得させる場合は一括譲渡以外の譲渡の禁止という転売制限が付されていることという要件を満たす必要があります(金融商品取引法第63条第1項第1号、同法施行令第17条の12第3項)(なお、適格機関投資家以外の者に有価証券を取得させる場合については、上記の転売制限の他に、6ヶ月以内に当該有価証券を取得した者の合計数が49人以下であることという要件も満たす必要があります。)。したがって、適格機関投資家等特例業務としてファンドを組成する場合、当該ファンドの持分には上記のような転売制限を設ける必要があります。
  • 匿名組合とはどのような制度なのでしょうか。
    匿名組合とは、当事者の一方が相手方の営業のために出資をし、相手方がその営業から生じる利益を分配することを約する契約を意味します(商法535条)。匿名組合契約は、出資者と出資を受ける営業者の2者間の契約であり、他の投資ビークルのように出資者間の横の契約上のつながりがない点が特徴です。出資された財産は営業者に帰属し、出資者は営業者の事業に対する執行権はありません。外形的にも匿名組合の財産や業務執行は営業者自体の法人としてのそれと分離されておらず、他の投資ビークルとは性質の異なるものとなっています。
  • 匿名組合を利用していると、ベンチャー投資ファンドの組成について金融商品取引法上支障になる場合があると聞いたのですが、どういう問題があるのでしょうか。
    ※適格機関投資家等特例業務に関しては、改正法の施行による変更が予定されています(2015年6月現在)。
    ベンチャー投資ファンドの組成及び運用については、金融商品取引法上の第二種金融商品取引業及び投資運用業に該当するものとして、登録などの業規制があります。そのため、かかる規制の適用を受けない、適格機関投資家等特例業務としてファンドを組成及び運用するケースが多くなっています。適格機関投資家等特例業務の要件は複雑ですが、説明の便宜上大まかにいうと、LPとなる相手方が1名以上の適格機関投資家及び49名以下の一般投資家という条件があります。ここで、今から組成するファンド(Xファンド)に、組成済みのファンド(Aファンド)がLPとして参加したいというケースがあり得ますが、Aファンドに出資している一般投資家の数も通算して49名以下である等の要件を満たせば、それも可能となります。しかしながら、Aファンドが匿名組合である場合には、Aファンドの組合員全員が適格機関投資家である場合でなければ、Xファンドの適格機関投資家等特例業務の要件を充足することはできないものとされています。更に匿名組合の性質上、Xファンドに参加するのは、匿名組合という法主体ではなく、営業者である法人(A社とします。)となり、そのA社が匿名組合の営業者であるか否かは公示されていません。仮にA社がXファンドへの出資とは無関係の匿名組合を運営している場合でも、上記のルールは適用されることになっています。したがって、ファンドの組成にあたっては、出資者が匿名組合の営業者になっていないかどうかを確認することが重要となります。
  • ファンドを組成する場合、金融商品取引法以外に注意しておくべき法律はあるでしょうか。
    特に注意しておくべき法律としては、金融商品の販売等に関する法律(「金融商品販売法」)の説明義務と、犯罪による収益の移転防止に関する法律(「犯罪収益移転防止法」)の本人確認義務があります。まず、金融商品販売法の説明義務については、ファンド持分を取得させる行為は、金融商品販売法上の金融商品の販売に該当するため(金融商品販売法第2条第1項第5号)、組合契約を締結するまでの間に、相手方に対し重要事項について説明しなければなりません(金融商品販売法第2条第3項、第3条)。次に、犯罪収益移転防止法の本人確認義務については、適格機関投資家等特例業務の届出者は、犯罪収益移転防止法上の特定事業者に該当するため(犯罪収益移転防止法第2条第2項第23号)、ファンドにかかる組合契約を締結する場合、相手方の本人特定事項を確認しなければなりません(同法第4条、同法施行令第6条第8号、第7 条第1項第1号リ、同法施行規則第5条、第6条)。
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