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【法人税】役員給与の取り扱い③

2016/07/21
[事前確定届出給与の概要]

事前確定届出給与とは、役員の職務につき所定の時期に確定額を支給する旨の定めに基づいて支給する給与(定期同額給与及び利益連動給与を除く)で、納税地の所轄税務署長にその事前確定届出給与の定めに関する届出をしているものをいいます。

この届出を「事前確定届出給与に関する届出書」といいます。

なお、同族会社に該当しない内国法人が定期給与を支給しない役員に対して支給する給与並びに特定譲渡制限付株式及び承継譲渡制限付株式による給与についてはその届出をする必要はありません。また「事前確定届出給与に関する届出書」の届出期限は以下の1か2のいずれか早い日(注)となります。

1.株主総会、社員総会又はこれらに準ずるもの(以下「株主総会等」といいます。)の決議により役員の職務につき上記の定めをした場合における当該決議をした日(同日がその職務の執行を開始する日後である場合には、当該開始する日)から一月を経過する日

2.当該事業年度開始の日の属する会計期間開始の日から四月を経過する日(注)新たに設立した内国法人がその役員のその設立の時に開始する職務につき上記の定めをした場合にはその設立の日以後二月を経過する日

 

[臨時改定事由が生じた場合]

臨時改定事由により当該臨時改定事由に係る役員の職務につき上記の定めをした場合(当該役員の当該臨時改定事由が生ずる直前の職務につき上記の定めがあった場合を除く。)には、以下の1か2のいずれか遅い日が「事前確定届出給与に関する届出書」の届出期限となります。

1.上記[事前確定届出給与の概要]の1か2のいずれか早い日(新たに設立した内国法人にあってはその設立の日の以後二月を経過する日)

2.臨時改定事由が生じた日から一月を経過する日

 

[事前確定届出給与の届出後の変更]

「事前確定届出給与に関する届出書」の届出をしている内国法人がその届出に係る定めの内容を変更する場合において、その変更が1又は2に掲げる事由に基因するものであるときは、1又は2に掲げる事由の区分に応じ届出期限が次のように定められています。

この届出を「事前確定届出給与に関する変更の届出書」といいます。

1.臨時改定事由

当該臨時改定事由が生じた日から一月を経過する日

2.業績悪化改定事由(給与の額を減額するものに限ります)

当該業績悪化改定事由によりその定めの内容の変更に関する株主総会等の決議をした日から一月を経過する日(変更前の届出に係る定めに基づく給与の支給の日が一月を経過する日前にある場合には、その支給の日の前日)

 

[特定譲渡制限付株式等]

特定譲渡制限付株式とは次の1から4の各要件を満たすものです。

1.一定期間の譲渡制限が設けられている株式であること

2.法人により無償取得(没収)される事由(無償取得事由)として勤務条件又は業績条件が達成されないこと等が定められている株式であること

3.役務提供の対価として役員等に生ずる債権の給付と引換えに交付される株式等であること

4.役務提供を受ける法人又はその法人の株式等の全部を直接に保有する親法人の株式であること

また、特定譲渡制限付株式のうち、合併等により承継されたものを承継譲渡制限付株式といいます。

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