会社設立後の税務

これから創業する起業家の方へ

会社を設立した後は、当該会社は税法の適用を受けることになりますが、まず最初の税務として税務署、都道府県税事務所、市区町村役場に対して一定の書類を提出することが必要になります。

書類には、必ず提出しなければならない届出書と、提出自体は任意であるものの会社が必要な判断を行った上で提出する申請書とがあります。

後段の書類については、提出をすることにより優遇措置を受けられることも多く、その検討を行うことは非常に重要です。しかし、タイミングとして会社設立直後ではこうした検討自体がされないケースがよく見受けられます。また、提出の失念や期限経過後の提出の場合には、優遇措置を受けることはできず、不利な納税を強いられることも考えられます。従って、最初に十分な確認をしておくことが必要です。


AZXでは事業の内容を理解した上で、設立段階から将来の会社の成長までを照らしながら、設立後の税務書類の作成に対してサポートいたします。

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  • 個人事業と法人ではどちらが有利ですか。
    税金面のみでいえば、所得税と法人税の税率の違いによって一般的には所得が多いほど法人が有利になります。法人にした場合は、会社から役員給与をもらうことになり所得税と住民税が課税されます。役員給与の設定によって会社の利益は変わってきますから、法人税等(法人税、住民税、事業税の合計)と所得税等(所得税と住民税の合計)のト−タルで検討しなければなりません。
  • 会社設立後の税務上の各種届出にはどのようなものがありますか。
    設立時に提出する届出書の主要なものは以下の通りです。
    【税務署】
    ・ 法人設立届出書
    ・ 給与支払事務所等の開設届出書
    ・ 青色申告の承認申請書
    ・ 申告期限の延長の特例申請書
    ・ 源泉所得税の納期の特例に関する申請書
    ・ その他(減価償却方法、棚卸資産の評価方法の届出等)
    【都道府県税事務所】
    ・ 法人設立届出書
    ・ 申告書の提出期限の延長の承認申請書(法人事業税)
    ・ 法人税に係る確定申告書の提出期限の延長の処分等の届出書(法人都道府県民税)
    【市区町村】
    ・ 法人設立届出書
    ・ 法人税に係る確定申告書の提出期限の延長の処分等の届出書(法人市町村民税)
  • 消費税の簡易課税制度の概要について説明して下さい。
    消費税の納付税額は、原則的には売上げに係る消費税額から仕入れに係る消費税額を控除して計算します。しかし、その課税期間の前々年又は前々事業年度の課税売上高が5千万円以下で、簡易課税制度選択届出書を事前に提出している事業者は、実際の仕入に係る消費税額を計算することなく、課税売上高から仕入控除税額の計算を行うことができる簡易課税制度の適用を受けることができます。この制度は、仕入控除税額を課税売上高に対する税額の一定割合とするというものです。この一定割合をみなし仕入率といい、売上げを卸売業、小売業、製造業等、サービス業等及びその他の事業の5つに区分し、それぞれの区分ごとに次のみなし仕入率を適用します。
    第一種事業(卸売業)90%
    第二種事業(小売業)80%
    第三種事業(製造業等)70%
    第四種事業(その他の事業)60%
    第五種事業(サービス業等)50%
  • 会社を退職して起業した場合、退職後の個人の税金はどうなりますか。
    個人所得税については退職前に勤務していた会社から交付される源泉徴収票を新規設立会社に提出し、新規設立会社において年末調整を行い税額を確定させます。また、個人住民税については、退職前に勤務していた会社から特別徴収されていた場合は、残存期間分を一括徴収されるか、または新会社に特別徴収が引き継がれるか或いは普通徴収となります。なお、個人住民税は前年所得に基づいて計算されるため、退職年の翌年の納税資金には注意が必要です。
  • 会社法上の計算書類について説明してください。
    会社法上の計算書類は次のもので構成されます。
    ① 貸借対照表
    ② 損益計算書
    ③ 株主資本等変動計算書
    ④ 個別注記表
    これらの計算書類は、その事業年度にかかる会計帳簿に基づき作成しなければなりません。
  • 資産除去債務に関する会計基準の概要を説明してください。
    資産除去債務とは、有形固定資産の取得、建設、開発又は通常の使用によって生じ、当該有形固定資産の除去に関して法令又は契約で要求される法律上の義務及びそれに準じるものをいいます。例えば、建物を解体する際に条例などで規定されている義務に基づくアスベスト除去費用や、借地契約などで要求される原状回復義務に基づく建物解体費用等が資産除去債務として取り扱われることとなります。
    この資産除去債務を有形固定資産の使用期間にわたって期間配分する手法が資産除去債務に関する会計基準であり、会計処理は次の通りとなります。
    ① 資産除去債務の発生時に、有形固定資産の除去に要する支出額を合理的に見積もり、それを現在価値に割り引いた金額を負債に計上し、負債と同額を関連する有形固定資産の帳簿価額に加えて資産計上します。
    ② 資産計上した除去費用を、減価償却を通じて、その有形固定資産の残存耐用年数にわたって各期に費用配分します。
    ③ 資産除去債務の現在価値と割引前の将来支出額との差額を時の経過による調整額として費用計上するとともに資産除去債務の金額を調整します。
  • 税効果会計とはどのようなものですか。
    税効果会計とは、税引前当期利益と税金(法人税、住民税及び事業税)とを合理的に期間対応させるために、税金を適切に期間配分する会計手法をいいます。
    税金の計算は、会計上の利益に税法独自の調整計算を加え、その結果算定される税務上の利益(課税所得)に税率を乗じて行われます。この税法独自の調整計算が行われた結果、会計的には、税引前当期利益と税金の額の対応関係が合理的でなくなってしまいます。このため、損益計算書(税効果会計を適用していないもの)の税引後当期利益は、会社の業績や収益力をみるには有用性の乏しい数字となり、同一企業の最終損益の期間比較ができない、異なる企業の最終損益の比較ができない等の不合理が生じることとなります。このような不合理を解消することを目的として税効果会計が導入されています。
  • 組織再編税制の対象となっている行為にはどのようなものがありますか。
    組織再編税制の対象となっている行為は、合併、会社分割、株式交換、株式移転、現物出資及び現物分配です。事業譲渡については、組織再編税制の対象外となっており、通常の取引として時価課税されることとなります。組織再編税制は、適格組織再編に該当する場合と非適格組織再編に該当する場合で税法上の取扱いが異なります。
  • 少額資産は申告の対象になりますか。
    少額資産については、取得価額が同じでも償却資産(固定資産税)の申告が必要かどうかは、償却方法の選択によって異なります。
    次の資産は、申告の必要はありません。
    ①  10万円未満の資産のうち、一時に損金算入する資産
    ②  20万円未満の資産のうち、3年間で一括償却する資産
    ③  売買扱いとするファイナンスリース取引に係るリース資産で、取得価額が20万円未満のもの
    なお、租税特別措置法において、中小企業者に該当する法人・個人事業者については、取得価額が30万円未満の減価償却資産を損金に算入できる措置が講じられていますが、この特例は国税に関する制度ですので、償却資産(固定資産税)では適用されません。したがって、この特例により損金算入した資産については、償却資産(固定資産税)の申告が必要となります。
  • 償却資産申告において、リース資産はリース会社とユーザーのどちらが納税義務者となりますか。
    原則としてリース会社が納税義務者となります。ただし、ファイナンス・リースのうち、所有権の移転が当初から決まっている場合(例えば、リース期間経過後にその資産を無償又は名目的な対価により譲渡することが決まっているものや無償と変わらない名目的な再リース料で再リースする条件でリースするもの等)は、ユーザー側が納税義務者となります。
  • 償却資産申告において、所得税法及び法人税法では所有権移転外ファイナンス・リース取引に係る資産については、売買処理としてユーザー側で資産計上することとなっていますが、この資産についてはリース会社とユーザー側のどちらに申告義務がありますか。
    所得税法及び法人税法では平成20年4月1日以降に契約を締結した所有権移転外ファイナンス・リース取引については、売買取引とみなされ、ユーザー側で資産計上し、減価償却を行うこととなっています。しかし、償却資産(固定資産税)は従来と同様に、リース資産の申告義務は資産の所有者であるリース会社にあるため、リース会社に申告義務があります。
  • 贈与税はどういった場合にかかりますか。
    贈与税の課税方法には、暦年課税と相続時精算課税の2つがあり、一定の要件に該当する場合に相続時精算課税を選択することができます。
    ① 暦年課税
    暦年課税の贈与税は、一人の人が1月1日から12月31日までの1年間にもらった財産の合計額から基礎控除額の110万円を差し引いた残額に対して累進税率(10%から50%)で課税されます。したがって、1年間にもらった財産の合計額が110万円以下なら贈与税は課税されません。なお、この場合、贈与税の申告は必要ありません。
    ② 相続時精算課税
    受贈者が相続時精算課税を選択した贈与者ごとにその年の1月1日から12月31日までの1年間に贈与を受けた財産の価額の合計額から2,500万円の特別控除額を控除した残額に対して一律20%の贈与税がかかります。なお、前年以前にこの特別控除の適用を受けた金額がある場合には、2,500万円からその金額を控除した残額がその年の特別控除限度額となります。

  • 相続税はどういった場合にかかりますか。
    相続税は、相続や遺贈によって取得した財産の価額(相続時精算課税の適用を受けた贈与財産の価額を含みます)の合計額から債務や葬式費用などの金額を控除し、さらに相続開始前3年以内の暦年課税の適用を受けた贈与財産の価額を加算した価額が、遺産に係る基礎控除額(5,000万円+1,000万円×法定相続人の数)を超える場合にかかります。
  • 給与所得者でも確定申告が必要な場合があるといいますが、どのような場合でしょうか。
    給与所得者の大部分は年末調整によって所得税額が確定し、納税も完了しますから、確定申告は必要ありません。しかし、給与所得者でも次のいずれかに該当する人は原則として確定申告をする必要があります。
    ① 給与の年間収入金額が2,000万円を超える人
    ② 1箇所から給与の支払を受けている人で、給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える人
    ③ 2箇所以上から給与の支払を受けている人で、主たる給与以外の給与の収入金額と給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える人
    ④ 同族会社の役員などで、その同族会社から貸付金の利子や資産の賃貸料などを受け取っている人
    ⑤ 災害減免法により源泉徴収の猶予などを受けている人
    ⑥ 源泉徴収義務のない者から給与等の支払を受けている人
    ⑦ 退職所得について正規の方法で税額を計算した場合に、その税額が源泉徴収された金額よりも多くなる人
  • 確定申告により所得税が還付される場合があると聞きましたが、具体的にどのような場合に還付を受けられるのでしょうか。
    次のようなケースでは確定申告書を提出する義務のない人でも、給与等から源泉徴収された所得税額や予定納税をした所得税額が年間の所得金額について計算した所得税額よりも多いときは、確定申告をすることによって、納め過ぎの所得税の還付を受けることができます。この申告を還付申告といい、その年の翌年の1月1日から5年間行うことができます。
    ① 年の途中で退職した人で、年末調整を受けずに源泉徴収税額が納め過ぎとなっている場合
    ② 住宅ローンがある場合(一定要件のマイホームの取得をした場合や特定の改修工事をした場合などに限ります)
    ③ 災害や盗難などで資産に損害を受けた場合
    ④ 一定額以上の医療費を支出した場合
    ⑤ 特定支出控除の適用を受ける場合
    ⑥ 特定の寄付をした場合
  • 法人税法独自の概念であるみなし役員という者に該当すると、役員給与の損金算入などで制限を受けると聞きましたが、みなし役員とはどういった者を指すのでしょうか。
    法人税法上の役員には、法人の取締役、執行役、会計参与、監査役、理事、監事及び清算人だけでなく、みなし役員という法人税法独自の役員も含まれます。みなし役員とは前記の役員以外の者で、次のいずれかに該当する者をいいます。
    (1) 法人の使用人(職制上使用人としての地位のみを有する者に限ります。)以外の者で、その法人の経営に従事しているもの
    (2) 同族会社の使用人(職制上使用人としての地位のみを有する者に限ります。)のうち、次に掲げるすべての要件を満たす者で、その法人の経営に従事しているもの
    ① その会社の株主グループをその所有割合の大きいものから順に並べた場合に、その使用人が所有割合50%超の第一順位の株主グループに属しているか、又は第一順位と第二順位の株主グループの所有割合を合計したときに初めて50%超となる場合のこれらの株主グループに属しているか、あるいは第一順位から第三順位までの株主グループの所有割合を合計したときに初めて50%超となる場合のこれらの株主グループに属していること。
    ② その使用人の属する株主グループの所有割合が10%を超えていること。
    ③ その使用人(その配偶者並びにこれらの者の所有割合が50%超である他の会社を含みます。)の所有割合が5%を超えていること。
  • 法人が有する金銭債権についてどのような事実が生じた場合に貸倒損失として損金の額に算入されるのでしょうか。
    ① 金銭債権が切り捨てられた場合
    次に掲げるような事実に基づいて切り捨てられる金額は、その事実が生じた事業年度の損金の額に算入されます。
    ・会社更生法、金融機関等の更生手続の特例等に関する法律、会社法、民事再生法の規定により切り捨てられる金額
    ・法令の規定による整理手続によらない債権者集会の協議決定及び行政機関や金融機関などのあっせんによる協議で、合理的な基準によって切り捨てられる金額
    ・債務者の債務超過の状態が相当期間継続し、その金銭債権の弁済を受けることができない場合に、その債務者に対して、書面で明らかにした債務免除額
    ②金銭債権の全額が回収不能となった場合
    債務者の資産状況、支払能力等からその全額が回収できないことが明らかになった場合は、その明らかになった事業年度において貸倒れとして損金算入することができます。
    ③一定期間取引停止後弁済がない場合等
    次に掲げる事実が発生した場合には、その債務者に対する売掛債権について、その売掛債権の額から備忘価額を控除した残額を貸倒れとして損金算入することができます。
    ・継続的な取引を行っていた債務者の資産状況、支払能力等が悪化したため、その債務者との取引を停止した場合において、その取引停止の時と最後の弁済の時などのうち最も遅い時から1年以上経過したとき
    ・同一地域の債務者に対する売掛債権の総額が取立費用より少なく、支払を督促しても弁済がない場合
  • 福利厚生費と交際費の区分について説明して下さい。
    交際費等とは、得意先や仕入先その他事業に関係のある者に対する接待、供応、慰安、贈答などの行為のために支出する費用をいいます。ただし、社内の行事に際して支出される次のような費用は、接待等の行為のために支出するものであっても、役員及び使用人の福利厚生を目的とするものとして交際費等には含まれないものとされています。
    ①創立記念日、国民の祝日、新社屋の落成式などに際し、従業員におおむね一律に、社内において供与される通常の飲食に要する費用
    ②従業員等(従業員等であった者を含みます。)又はその親族等の慶弔、禍福に際して、一定の基準に従って支給される金品に要する費用(例えば、結婚祝、出産祝、香典など)
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