AZXブログ

実務に即した交渉例が充実!投資契約ガイドライン増補版の要旨

皆様こんにちは、弁護士の石田です!

4月を迎え新年度が始まると「心機一転」して日々の業務のやり方を「改定(見直し)」という方も多いと思いますが、法律の世界でも時代や環境に合わせてルールを「改訂」する動きが活発です。今回はその「改訂」が実務担当者の間で話題となっている、スタートアップ投資契約ガイドラインの増補版(再改訂版)の概要を解説していきたいと思います。

昨今、経済産業省をはじめとした官公庁によるスタートアップ支援の一環として、税金等の優遇措置やガイドラインの公開等がなされています。昨年(令和7年)9月には、「我が国における健全なベンチャー投資に係る契約の主たる留意事項」(通称「スタートアップ投資契約ガイドライン」。以下「本ガイドライン」といいます。)の増補版が公開されましたので、今回はこちらの概要について解説いたします。

1.本ガイドラインの概要

本ガイドラインは、適切なスタートアップ投資の促進を図ることを目的として当初平成30年(2018年)に策定されたもので、投資契約等の設計において留意すべき事項が解説されています。その後、令和4年(2022年)に改訂され、令和7年(2025年)9月30日に増補版が策定されました。

2.本ガイドラインの内容

初版、改訂版では、スタートアップがベンチャーキャピタル等の投資家から新株発行(エクイティ)による資金調達を行う際に締結される投資契約の具体的な条項が紹介、解説されています。

増補版では、初版、改訂版を踏襲した条項解説に加え、米国の投資契約実務との比較や契約条項の交渉例も紹介されています。とりわけ、事前承認事項について重要な事項に限定するべく条項の削除、修正をする交渉例が紹介され、株式買取請求権については、そのトリガー(発動条件)について「重大な」、「重要な」等の重大性、重要性にて限定する交渉例に言及されており、実務的に非常に参考になる内容となっています。

【出典】「我が国における健全なベンチャー投資に係る契約の主たる留意事項

また、増補版では、スタートアップのガバナンス体制がその解説に追加されました。背景としては、これまではスタートアップの数や認知度の向上という「裾野」の拡大が志向されていたところ、今後は、裾野の拡大だけでなく、「高さ」の創出も志向すべく、ガバナンス体制のあり方を示すことになったようです。

3.小括

今回紹介したガイドラインは、投資契約の交渉中の方だけでなく、投資による資金調達を検討されている方にとっても参考になる内容となっているため、投資を検討されている方は是非一度お目通し下さい。

AZXでは資金調達を希望する起業家に、投資家をご紹介しております!

▼Series AZXとは▼
エイジックスが新たに取り組みを始めた、資金調達を希望する起業家に、投資家を無料でご紹介するプログラムです。
詳細はこちら → https://www.azx.co.jp/series-azx

執筆者
AZX Professionals Group
弁護士 パートナー
石田 学
Ishida, Gaku
そのほかの執筆者
AZX Professionals Group
弁護士 アソシエイト
小林 貴志
Kobayashi, Takashi
AZX Professionals Group
弁護士 パートナー
伊藤 知己
Ito, Tomoki
執筆者一覧