不祥事等発生時の対応サポート

ベンチャー・スタートアップの方へ

企業において、不祥事が発生した場合には、被害の拡大を防止し、企業の法的責任の拡大及び社会的信用の失墜を防止する観点から、迅速に的確な対応をすることが要請されます。

典型的な不祥事としては、個人情報等の漏洩、食中毒その他の事故の発生、免許停止等の行政処分、違法行為の疑いに基づく強制捜査、役員についての不祥事の発生等があります。

不祥事が発生した場合、その不祥事に関する情報収集に努め、事件の収拾に向けて最善の努力をすることとなりますが、それと並行して、その不祥事をどのタイミングでいかなる内容で開示するかという点が大きな問題となります。

開示に関しては、まずは法的な開示義務があるかどうかを確認する必要があります。次に、仮に法的な開示義務を定めた法令が存在しないとしても、①被害の拡大防止、②投資家への迅速な情報開示に基づく投資家保護の観点、③隠ぺいによる企業の社会的信用の失墜の防止等の観点から、開示をするべきか否かを迅速に判断する必要があります。その際には、関連する官公庁にできるだけ早く的確に事件の発生を伝え、相談することも重要です。

また、極めて重大な事案の場合には記者会見を行う場合もあります。開示するべきであるとしても、誤った情報に基づいて虚偽の開示をすることは避けなければならないため、確実に公表できるのがどの範囲であるかについて慎重に検討することが必要です。また、一度開示を行った後、その後の情報収集や事態の進行に合わせて、更なる開示を行う必要がないかについても継続的に検討していく必要があります。また、関連する官公庁に対しては事態収拾まで継続的に状況の報告及び対応の相談を行っていく必要があります。


AZXでは、企業での不祥事対応をサポートした多くの経験に基づき、企業において不祥事が発生した場合の開示の要否や内容についてのアドバイス、官公庁への説明資料の作成のサポート、説明への同席等のサポートを行っております。

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  • 不祥事が発覚した後に隠蔽を図ったり、適切に公表しなかったりした場合は、取締役は善管注意義務違反として損害賠償責任を負うのでしょうか?
    取締役は、その善管注意義務違反の業務執行行為により会社に生じた損害を賠償する責任を負うところ、取締役の業務執行は不確実な状況で迅速な判断をせまられる場合が多いため、善管注意義務が尽くされたか否かの判断は、行為当時の状況に照らし合理的な情報収集、調査、検討等が行われたか、その状況と取締役に要求される能力水準に照らし不合理な判断がなされなかったか否かを基準になされるべきであり、事後的、結果論的な評価がなされてはならないと解されています(いわゆる経営判断準則)。また、注意義務違反の証明責任は取締役の責任を追及する原告側にあると解されています)。
    したがって、不祥事が生じたのみでは、直ちに善管注意義務違反を負うものではない場合もありますが、その不祥事の発覚後に、隠蔽を図ったり、適切に公表しなかった場合には、積極的な善管注意義務違反があるとして、損害賠償責任を負う可能性が高くなります。この点、ダスキン株主代表訴訟(大阪高裁平成19年1月18日判決)では、肉まんに食品衛生法違反の添加物が混入されていたことについて、混入されていた事実を知った後に口止め料を支払ったり、適切に公表しなかったことなどについての取締役の善管注意義務違反を理由に、取締役らに連帯して106億2400万円もの支払いを認めており、経営判断を基準に認定されることを前提とするからといって、損害賠償責任を負うリスクが低いとはいえないと考えられます。
  • 会社法上、取締役の会社に対する賠償責任が問題になる場合として、主にどのようなものがあるでしょうか。
    取締役は会社に対する善管注意義務及び忠実義務を負っており、その懈怠があった場合に損害賠償の責任が生じます。その中には、具体的な会社法上の規制(利益相反規制、競業禁止規制、自己株取得規制等)に反した場合のほか、経営上の判断の是非が問題となる場合、他の取締役や従業員の行為に対する監視責任が問題になる場合などがあります。
    任務懈怠責任による賠償責任のほかには、分配可能額を超過する配当等が行われた場合、現物出資財産の額が不足していた場合等の填補責任があります。
  • 株主代表訴訟では、一般的に取締役の任務懈怠責任についてどのような判断がなされているのでしょうか。
    個別の事案によりますが、一般的な傾向としては、具体的な会社法上の規制(利益相反規制、競業禁止規制、自己株取得規制等)に反している事例では、責任が認められており、経営判断の是非が問題となる事例では、責任が否定される事例が多くなっています。後者については、Q00300で説明する経営判断の原則をご参照下さい。
  • 取締役の責任でよく耳にする、経営判断の原則とは何でしょうか。
    代表訴訟の裁判例で一般に採用されている考え方であり、経営判断の是非が問題になるケースでは、判断の前提となった事実認識に不注意な誤りがなく、判断の過程・内容が著しく不合理なものでなければ、任務懈怠がないものとする考え方です。但し、経営判断の過程で法令・定款の違反がある場合や、自己又は会社以外の第三者の利益のために経営判断がなされた場合には、この原則は適用されない傾向にあります。
  • 取締役が気付かなかった従業員による不祥事によって生じた問題について、取締役は常に監視義務に違反したものとして任務懈怠の責任を負わなければならないのでしょうか。
    業務担当取締役は、下位の従業員を監督する責任を負いますが、合理的な権限分配等を定めた監視システムを構築、運用している限り、取締役は個別の業務執行について下位の者を信頼できると解されており(いわゆる信頼の原則)、それでも従業員の行為に気付かなかった場合にはやむを得なかったものとして責任は回避されると考えられます。逆に、そのような監視システムの制定と運用を行っていなかった場合には、そのこと自体から責任を問われる可能性があります。いわゆる内部統制システムとして問題になる点であり、いかに合理的な内部統制を策定するかは取締役の責任の観点からも重要な事項となります。
  • IPOの直後に許認可が取り消しとなった事例としては、どんなものがあるでしょうか。その影響は?
    株式会社アルデプロという会社が、2004年3月に上場したが、その直後に代表取締役社長が道路交通法違反で執行猶予判決を受けていたことを理由に、宅地建物取引業免許を取り消され、一時的に宅建業法に基づくビジネスができなった事例がありました。また、この件では、問題となった代表取締役社長が即時辞任しています。このように、ビジネス上重要な許認可について、取消事由に該当する事実がある場合は、重大なリスクとなります。また、これを知りながら、又は知り得たにも拘らず適切に開示していなかった場合には、金融商品取引法上の開示書類について虚偽記載があったとして問題となりえます。
  • 個人情報の漏洩事故が生じた場合、その漏洩の事実を公表すべきでしょうか。また、かかる事実を誰かに報告する必要があるでしょうか。
    個人情報保護法上は、漏洩事故時における公表や報告の義務は法令上の義務としては規定されていません。しかし、事故の発生を公表したり、個人情報が漏洩した本人に通知することによって、当該情報の悪用などの被害拡大を抑制できる場合があります。そのような場合には、公表や通知を行わなかったことで、拡大した被害についての責任を後日問われる可能性があるため、かかるリスクを回避する観点からは積極的な公表や通知を検討すべきであり、その際必要に応じて所轄官庁に報告し、指示を仰ぐことが考えられます。
    なお、経済産業省のガイドラインによれば、事故又は違反への対処として、①事実調査、原因の究明、②影響範囲の特定、③再発防止策の検討、実施④影響を受ける可能性のある本人への連絡、⑤主務大臣等への報告⑥事実関係、再発防止策の公表という措置を講じることが望ましいとされており、参考になります。
  • 個人情報の漏洩事故の場合の賠償額は、どのくらいが一般的なのでしょうか?
    個人情報漏洩の損害額について、何らかの基準がある訳でなく、漏洩した個人情報の性質や、二次的被害の有無等に応じて事案毎に合理的に判断されることになると考えられます。過去の裁判例においては、一人あたりの額で、数千円程度、1万円程度、3万円程度といった事例があるようです。
  • 過去の新株発行資料をチェックしたところ、手続に瑕疵があったことが判明しました。瑕疵の内容によっては新株発行が無効になる場合があると聞きましたが、無効を主張されるリスクは残り続けるのでしょうか。
    新株発行の効力が否定されると、その株式の株主の議決権行使にも瑕疵が生じ、それが株主総会の瑕疵となり、このような瑕疵の連鎖が多数の法律関係に影響を与えるおそれもあります。そのため、新株発行の無効は無制限に主張することはできず、会社法では訴えをもってのみ主張可能とし、提訴権者、提訴期間なども制限しています。提訴期間については、新株発行の効力発生日から6ヶ月以内(非公開会社の場合は1年以内)となっていますので、提訴期間の経過後にその効力を争われることはありません。
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